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「認証保育園」ってなに?施設の特徴や「認可・認可外保育園」との違いについて解説します!

この記事は約9分で読めます。

近年、保育に関するさまざまなニーズを受けて、保育サービスは多様化しています。

その中の一つに「認証保育園」というものがあります。

これは、特に「認可保育園」と呼び方が似ているため、「区別が良く分かっていない」という人も多いのではないでしょうか。

今回は、この点について、詳しくご紹介していきたいと思います。

「認証保育園」とは?

概要

結論から言うと、これは東京都が定めた「東京都認証保育所事業実施要綱」の基準を満たし、「認証」を得た施設のことを指しています。

これは「認可外保育園」に分類されることとなります。

また近年では、東京都以外にも、独自の制度を設定する自治体が増えてきています。
(名称は地域によって異なる場合がある)

この理由についてですが、「都市部では、認可基準を満たすことが困難である」ため、「認可保育園の新規設置が困難な状態」だからです。

比較的柔軟な基準を設けている施設を設置することで、“待機児童問題の改善”が期待されているのです。

どんな特徴があるの?

施設の特徴としては、以下が挙げられます。

◆都市部の特性を踏まえた東京都独自基準を設定している
◆全施設で0歳児から預けられる
◆全施設で13時間以上の開所が原則となっている
◆利用者は保育園と直接契約する
◆月額保育料は3歳未満で80,000円、3歳以上で77,000円を超えないように設定されている

また施設形態は、条件によって「A型」「B型」に大別することができます。

【それぞれの特徴】
【施設区分・施設形態】
◆A型:駅前に設置することが前提
◆B型:少人数で家庭的保育を行う【定員】
◆A型:20人~120人(半数以上が2歳以下であること)
◆B型:6人~29人

【対象年齢】
◆A型:0歳~5歳
◆B型:0歳~2歳

また、職員の規定は、「認可保育園と同等の配置基準」+「常勤職員は6割以上」となっています。

さらに、補助金も“認証した自治体から支給される”こととなります。

上記でも記載した通り、認証保育園は“認可外”に含まれます。

しかし、東京都もしくは各自治体の基準を満たしている(=自治体から認証を受けている)ことから、公的補助を受けることができるのです。

この点は、認可保育園にやや近い形態となっていることが分かります。

「認可保育園」との違いは?

では、「認証」と「認可」の違いは、どこにあるのでしょうか?

相違点をまとめてみると、以下のようになります。

「認証」と「認可」の違い
【施設区分】
◆認証:A型/B型
◆認可:区分なし【運営団体】
◆認証:法人・個人・任意団体
◆認可:公立→各市区町村、私立→法人

【定員】
◆認証:A型→20人~120人(半数以上が2歳以下であること)、B型→6人~29人
◆認可:60人以上 ※小規模保育園の場合は20人以上

【対象年齢】
◆認証:A型→0歳~5歳、B型0歳~2歳
◆認可:0歳~5歳

【0歳児保育】
◆認証:実施義務あり
◆認可:実施義務なし

【開所時間】
◆認証:13時間以上の開所義務あり
◆認可:11時間以内が基本

【0歳~1歳児の基準面積】
◆認証:1人あたり2.5㎡
◆認可:1人あたり3.3㎡

【保育料金の支払い】
◆認証:各保育園へ支払う
◆認可:各市区町村へ支払う

【保育料金の設定】
◆認証:保育園ごとに設定する(上限あり)
◆認可:所得や子どもの年齢に応じて設定する

【申し込み方法】
◆認証:各保育園と直接契約する
◆認可:各市区町村へ申し込む

【改修費用の補助】
◆認証:A型→最寄り駅の改札口から徒歩5分圏内が条件、B型→なし
◆認可:なし

【サービス内容の告知】
◆認証:契約時に「重要事項説明書」を利用者に渡し、施設や事業者の概要・サービス内容の説明義務あり
◆認可:なし

【施設情報提示の義務】
◆認証:定員や開所時間などの施設情報を明記した「認定書」、および基準を満たしていることを証明する「適合証」を見やすい場所に掲示する義務あり
◆認可:なし

尚、上記は“東京都の認証保育園”を基準としているため、他自治体だと条件が異なる場合がある点にはご注意ください。

違いをご覧の通り、両者は名称こそ似ているものの、詳細は大きく異なります。

特に「開所時間」「保育料金」はまったく違うのがご理解いただけるかと思います。

どちらかというと、認証保育園の方が「保護者の要望を重視している」傾向が強く、“保育方針”“運営の自由度が高い”などが、特徴に挙げられます。

仕事内容に違いはあるの?


基本的な仕事内容に関しては、「認証」も「認可」も「認可外」もほぼ同じです。

保育士の最大の業務は、「お子さんを預かり、保育する」ことにあり、ここに大きな違いはありません。

ただし、認証保育園において注意しておくべき点があります。

それは、「13時間以上の開所義務がある」ということです。

そのため、多くの保育園の閉所時間が“夜まで(20時~22時ごろ)”に定められていることとなります。

つまり、「夜間保育がある」ということです。

夜間保育を行う場合は、入浴や寝かしつけのお世話が加わることとなります。

認証保育園で働くことが向いているのは、どんな人?

認証保育園の最大の特徴は、認可外と同じく「保育方針・運営の自由度が高い」ことが挙げられます。

英語学習など、他の園と差別化をするため、独自性のある保育プログラムを組む園もあり、さまざまな保育経験を積めることがメリットの一つです。

また、認証保育園自体、“制度として誕生してまだまだ日が浅い=新設園も多い”こととなります。

そのため、人間関係の煩雑さが少なく、保育内容も新しいアイデアを取り入れやすい傾向にあると思います。
(もちろん保育園によりけりではありますが……)

最後に。

常勤職員の6割以上は有資格者でないといけませんが、残りの4割は無資格者でも勤務が可能となります。

つまり、「現場で経験を積みながら資格取得も狙える」こととなるのです。

これらをまとめると、以下のような人が認証保育園の勤務に向いているかと思います。

◆子ども一人ひとりと丁寧に向き合いたい人
◆豊かな保育経験を積みたい人
◆現場で保育経験を積みながら、資格取得を目指したい人

ただ、要注意点として「施設によって、保育・運営方針はさまざまである」ということも忘れてはいけません。

さまざまな人との関わりがあることから、人間関係だって施設によって千差万別なのです。

「認証保育園だから、どの施設も働きやすい環境が整備されているわけではない」という点をしっかり把握しつつ、自分にとって“働きやすい環境”を見つけられるよう、いろいろな保育園を探してみてください。

「認証」「認可」働く場合はどちらがおすすめ?


「認証」と「認可」、どちらで働くべきなのか?で悩む人は多いのではないでしょうか。

仕事探しで大切なことは、「それぞれの特徴をしっかりと把握しておくこと」にあると思います。

この項目にて、それぞれの特徴をご紹介したいと思います。

「認証保育園」の特徴

メリットとしては、以下が挙げられるかと思います。

①「通勤がしやすい」
②「雇用形態の幅が広い」
③「認可外に比べて、労働条件や待遇面が管理されている」

①は、認証保育園の多くは「駅前」などの通勤しやすい場所に設置されていることが多いことが挙げられます。

通勤に時間がかからないので、プライベートの時間は取りやすくなるかと思います。

②は、「13時間以上の開所義務が設けられている」という点から、正社員・パート・アルバイト・契約社員・派遣社員など、幅広い雇用形態で求人募集が掛かっていることが挙げられます。

多くの園は「シフト制」で対応していることから、柔軟な働き方が可能となります。

最後に③ですが、「認証保育園=認可外保育園」の分類となります。

しかし、自治体の基準に従って運営していることから、労働条件や待遇面は、他の認可外に比べてしっかり管理されているところが多いのです。

次に、注意しておくべき点についてですが、やはり「13時間以上の開所義務が設けられている」という点が挙げられるでしょうか。

上記の通り、勤務は「シフト制」であることがほとんどで、夜間保育を行う必要性もあります。

人手が足りているのならばともかく、人手不足の園に勤務した場合、1日の生活リズムが若干崩れやすくなるという点には注意しておいた方がいいかもしれません。

これらは、勤務する保育園によって異なるため、就職や転職の際には、気になる保育園のことをしっかりと事前調査しておくことが望ましいかと思います。

「認可保育園」の特徴

最大のメリットでもありデメリットでもあるのが、「国の基準によって運営されている」という点にあります。

メリットに関して言えば、「多忙となることや残業することが少ない傾向にある」ことです。

職員数や保育士の割合を国が基準で定めていることから十分な職員数が確保されており、1人あたりの仕事量はそれほど多くないと考えられます。
(もちろん、施設によりけりではあります)

また、給料も高い傾向にあります。

それは、「国の助成金を受けている=定員割れとなることがほぼない」ため、運営状態が比較的安定している点が挙げられるからです。

ただし、「国の基準によって運営されている=融通が利かないor利きづらい」といったデメリットもあります。

この点については、別の記事にてご紹介をしておりますので、以下にリンクを貼っておきたいと思います。

まとめ

以上が、「認証保育園の施設の特徴や、認可・認可外との違い」についてのご紹介となります。

待機児童問題を受けて、近年では各自治体が独自の認証制度を設けており、東京以外でも認証保育園の数は増えつつあります。

このことから、今後は各地域で認証保育園の数が増えていくことが考えられます。

小規模・新設の保育園も多いことから、「子ども一人ひとりにきちんと向き合いたい人」「多様な保育経験を積みたい人」にもオススメの職場といえるかと思います。

ただし、労働環境は保育園によって異なりますし、規模や保育・運営方針も園ごとにさまざまです。

「認証」「認可」「認可外」など、保育士が働ける環境はどんどん広がりを見せています。

だからこそ就職・転職時には、しっかりと求人情報を確認したうえで、職場を選ぶことが重要となってきます。

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