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「職業指導員」とはどんな仕事?仕事内容やなり方、活躍の場について解説します!

この記事は約7分で読めます。

「職業指導員」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

これは、「障害のある方の”働く”を知識・技術面から指導したり、一般企業への就業を支援したりする仕事(職業)」のことを指しています。

この職に就くために必要な資格というのは何があるのでしょうか?

また、どんな職場で活躍し、具体的にどのような業務を行うのでしょうか?

今回は、こういった点について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

「職業指導員」とはどんな仕事なのか?


これは、「障害のある方が就職するために必要な知識・技術を身に着けるためのサポートを行う職種」のことを指しています。

障害のある方が、自分に合う仕事に打ち込んで充実した人生を送れるように支援する、やりがいのある仕事といえます。

この職業訓練の内容ですが、これは事業所によってさまざまです。

例えば、以下のような業務が挙げられます。

◆食品加工やお菓子作り
◆製品の梱包や仕分け
◆パソコンを使ったデータ入力やWEBサイト制作
◆清掃作業
◆園芸作業
◆農作業
◆木工作業 など

「障害」と一言でいっても、その特徴は人によってさまざまです。

一人ひとりの能力・適性・心身の状況は異なりますし、本人の意向も人によりけりです。

だからこそ、その人その人に合った適正指導・支援をすることが求められるのです。

どうすれば職に就けるのか?

結論からいうと、この仕事に就くために必要な資格・免許・実務経験は基本的にありません。

事業所によっては「無資格・未経験でも応募可能!」としているところもあるので、誰にでもチャレンジはしやすい職業といえるかもしれません。

ただし、事業所によっては別途「特定の資格所有者」「一定の実務経験者」を応募要件としていることもあります。

資格に関しては、役立てられる資格が多数あり、求められる資格も事業所によって大きく異なります。

例えば、障害者施設であれば「介護職員初任者研修」などの介護系や「介護福祉士」「社会福祉士」「精神保健福祉士」などの福祉系、児童福祉施設であれば「児童指導員任用資格」などが求められることが多いです。

また、利用者の送迎のために「普通自動車免許」を求められることも多いでしょう。

加えて、職業訓練の内容によっては、パソコンスキルなどの特定のスキルが求められることもあります。

応募要件は事業所によって異なります。

そして、職業訓練の内容や特色も、事業所によってさまざまです。

もし「職業指導員の仕事をしたい!」となった場合は、事業所の特色や応募要件などをしっかりと確認するようにしてください。

尚、一つだけ言えることがあります。

それは、「実務経験や資格を取得している方が、就職には優位に働く」ということです。

確かに、無資格・未経験でも募集をかけている事業所はあります。

しかし、どんな仕事にも言えることですが、無資格者よりも有資格者、未経験よりも実務経験がある方が、企業側は積極的に採用したいと考えます。

なぜなら、「即戦力になる得る可能性がある」からです。

もちろん、実務経験がある方や有資格者の方が、給料や待遇の面でも有利となることもあるかもしれません。

はじめは、無資格・未経験から仕事を始めても問題はありませんが、「キャリアアップを目指したい!」という場合は、役立つ資格などを取得したり、転職を希望するのも良いかもしれません。

活躍の場はどこ?どんなところで働くの?


この仕事の就職先は、主に以下が挙げられます。

1.就労移行支援事業所
2.就労継続支援事業所
3.児童福祉事業所

それぞれの特徴を簡単にご紹介していきます。

1.就労移行支援事業所とは?

こちらは、65歳未満の障害のある人の就労をサポートする事業所です。

「利用者本人が就労を希望しており、一般企業で働けることが見込まれることが前提」となっています。

利用者が一般企業で仕事を長く続けていけるよう、仕事を行う際に必要な知識やスキルを向上し、同時に社会的なマナーを学ぶ場となります。

就労移行支援については、以前に別の記事で詳細をまとめておりますので、以下にリンクを貼っておきます。

2.就労継続支援事業所とは?

上記は「一般企業で働けると見込まれる人」を支援対象としていますが、こちらは「一般企業に雇用されて働くことが難しい人」を支援対象としています。

ただし、事業の目的は「障害のある人に働く機会や生産活動の機会を提供し、知識や能力の向上を目指して訓練を行う」と同じです。

この就労継続支援には「A型」「B型」が存在し、支援対象は異なります。

最大の違いは「雇用契約を結ぶかどうか?」という点です。

A型は雇用契約を結び、労働によって“賃金(給料)”を得ます。

対してB型の場合は雇用契約を結ばず、労働によって“工賃”を得ることとなります。

3.児童福祉事業所とは?

児童養護や児童自立支援のための事業所で働く人もいます。

こちらの場合は、児童が自分の適性や能力に応じた職業を選択できるように、「相談」に乗ってアドバイスを行ったり、「情報提供」「指導(実習や講習など)」を行います。
(入所中の児童の支援だけでなく、退所した児童の就労や自立に関する相談にも乗っています)

「生活支援員」「就労支援員」との違いはなに?

似た名称・職業として、「生活支援員」「就労支援員」というものがあります。

上記2つも同じ就労支援系の事業所で働くこととなります。

これらの違いには何があるのでしょうか?

それぞれ解説を加えていきましょう。

「生活支援員」とは?

“生活支援”と名称についている通り、こちらは「利用者の日常生活の健康管理を指導」したり、「相談に応じて必要なサポート」を行ったりする職種のことを指します。

言うなれば、介護事業所における「生活相談員」のようなものであり、障害を持つ方の生活面を中心にサポートを行っています。

日常生活で必要な介助(食事・排泄など)、利用者の健康管理や生活能力向上のための支援を行うほか、場合によっては職業訓練の指導を行うこともあります。

「就労支援員」とは?

名称……というより言葉の意味合いが似ていることもあって混同されやすいですが、両者には決定的な違いがあります。

それは、就労支援員は「障害を持つ方だけなく、就労が困難な人全般を対象に幅広く支援する」という点にあります。

具合的にいうと、以下のような就労全般に関してのサポートを行っています。

◆職場実習
◆就職活動に関する支援
◆実習先や就職先の開拓
◆職場定着のための就職後の訪問・相談
など

ただし、一つだけ注意点があります。

それは、「職業指導員」「生活支援員」「就労支援員」は、厳密な棲み分けがされていないことが多いということです。

行う業務は確かに違いますが、似た部分があることも事実です。

そのため、兼任している場合や、名称が異なっても業務内容が似ているケースなどもあります。

職業指導員の「将来性」について

障害福祉サービスの利用者数は、年々右肩上がりに増え続けています。

そして、それに伴い就労支援系の事業所数も増加傾向にあるのです。

このことから、今後しばらくの間は、職業指導員の活躍の場も増えていくことが考えられています。

また、2021年には「障害者総合支援法」の改正が行われましたが、その際に“質の高い就労支援”を行っている事業所がより評価されるようにもなりました。

例えば、単に作業場所を提供したり就職先を探したりするだけでなく、「利用者の働きやすさや生産性の向上」などを行うことです。

施設の数が増えることはもちろん、サービスの質も求められるようになっており、今後は社会的なニーズもさらに高まっていく事が予想されています。

加えて、もう一つ。

より“質”も求められるようになっていることから、この仕事は「機械による自動化」も難しくなっています。

確かに、機械を上手く活用して業務効率を上げることはできるかもしれませんし、それを行っている事業所も多いことでしょう。

しかし、利用者の就職のサポートを行い、働きやすさや生産性の向上を上げることは、人にしかできない仕事と言えるのです。

また、一部事業所では職業指導員が介護などを行う場合もありますが、これも機械による完全な自動化は(少なくとも現時点では)難しいです。

この仕事は総じて“人に寄り添う仕事”であることから、すべてが機械に取って代わられるということも考えづらいです。

このことから、将来性はあるといえるかと思います。

まとめ

この仕事は、無資格や実務未経験の方でもチャレンジできる可能性があり、また将来性もある仕事です。

他職種に比べても比較的チャレンジしやすい職種でもありますので、「職業指導員という仕事に関心がある」という方は、ぜひ知見を広げてその一歩を踏み出してみてください。

加えて、経験者は就職時に有利になることはもちろん、仕事に活かせる資格も「介護系」「福祉系」「児童系」などさまざまに存在します。

事業所の特色や応募要件も施設によって変わってきますので、色々な求人情報を比較・検討して、自分の知識や技術を活かせる職場を探してみてください。

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