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「骨」って鍛えることはできる?骨の役割やメカニズム、骨密度を上げるために必要なことを解説します!

この記事は約8分で読めます。

「骨」は、体を“支える”だけでなく“健康”を担う上で重要な役割を持っています。

骨なくして、人は生きていくことができません。

この「骨」には、具体的にどのような役割や機能があるのでしょうか。

そして、骨密度を上げるためには、具体的に何をすればいいのでしょうか。

今回は、「骨」について、詳しくご紹介をしていきたいと思います。

「骨」の役割やメカニズムについて

骨の役割とは?


骨は、体重の約15~18%を占めており、全身に約200個ほど存在するといわれています(形や大きさはさまざま)。

骨は、身体運動(筋肉・腱・靭帯・関節・神経・循環系など)に関わる多様な組織・器官と密接に連携しており、「運動器」としての役割を発揮しています。

この「運動器」とは、身体運動に関わる骨・筋肉・関節・神経などの総称のことをいいます。

自分の意志で活用できる唯一の組織であるため、“運動器の障害=生活機能の低下”に結びつくこととなるのです。

骨の最大の役割として挙げられるのは、「身体を支え、動けるようにする」ことにあります。

運動器の中でも骨が担っている役割は非常に多く、そもそも骨に異変があれば、身体を支えることも動くこともままならなくなります。

ただし、骨の役割はそれだけではありません。

「脳や内臓の保護」「造血作用」の他にも、「カルシウムを貯蔵する機能」「血中のカルシウム濃度が低下した際に、骨に貯蔵してあるカルシウムを血液中に放出し一定量を維持する」といった働きもしているのです。

骨も”成長”する

胎児のときの骨は、「頭蓋骨」を除き、やわらかい「軟骨」のみでできています。

成長とともに骨の中央に血管が侵入し、そこからカルシウムが運び込まれ“沈着”していって骨となるのです。

個人差はありますが、男性だと17~18歳、女性だと15歳~16歳くらいですべての骨ができ上がり、成長が止まります。

ちなみに、赤ちゃんのときは骨が約350個ほどあるといわれており、それが成長とともにくっつき合って、最終的に206個ほどの骨となるのです。

「骨密度」とは?

骨密度というのは、「骨の主成分であるカルシウムやミネラルがどのくらい詰まっているか?」という骨の強さを表す指標です。

そして、骨のカルシウム量を「骨量」といいます。

骨量は成長とともに増え、20~40代半ばにかけて最大になります。

この状態を「最大骨量」といい、骨量はそれ以上に増えることはありません。

そして、その後は年齢を重ねるにつれて、少しずつ自然に減少していくのです。

その後、骨量が一定量を下回ると、骨がスカスカになってどんどん脆くなっていきます。

“骨がスカスカになり脆くなる=骨折しやすい状態”となり、これが世間一般でいわれる「骨粗鬆症」という状態なのです。

日本整形外科学会によると、骨折が生じやすい部位は「背骨」「手首の骨」「太ももの付け根の骨」とのことです。

残念ながら、人は誰でも長生きをすれば骨粗鬆症になってしまいます。

では、骨粗鬆症になりづらい身体を手に入れる方法はあるのでしょうか。

次項にて、その点を解説していきます。

骨粗鬆症になりづらい身体を手に入れるには?


骨密度、骨量は加齢とともに自然と現象していくものであり、いずれは骨が脆くなってしまいます。

しかし、意識的に行動を起こすことで、「最大骨量を増やす」「骨密度の減少を穏やかにする」ことはできます。

その具体的な方法は、以下の3つです。

1.「カルシウム」を意識した食事を摂る
2.「ビタミンD」を摂取する
3.骨に負担をかける運動をする

順に解説を加えていきます。

1.「カルシウム」を意識した食事を摂る

「カルシウム」は、骨の主成分です。

これが不足すると、新しい骨が形成されずに、古い骨が壊れるばかりでどんどん脆くなってしまいます。

そのため、日ごろからカルシウムを吸収できる食事を意識して摂るようにしましょう。

カルシウムが多く含まれている食材は、以下が代表的です。

◆牛乳
◆小魚(煮干し)
◆海藻類
◆葉物野菜(小松菜やチンゲン菜など)

「牛乳を飲むと骨が丈夫になる」と古くから言われていますが、その理由はここにあります。

ぜひ、普段の食事に積極的にカルシウムを取り入れてみてください。

ちなみに、「カルシウム=骨」とイメージする人もいるかもしれませんが、それだけではありません。

骨強度を高めたり維持したりする働きももちろんありますが、それだけでなく「神経系の情報伝達」「筋肉の収縮」「血液の凝固」などにも欠かせない物質なのです。

骨を強くするだけでなく、重要な微量ミネラルであるということも覚えておいてください。

2.「ビタミンD」を摂取する

「ビタミンD」は、カルシウムの吸収を促し、カルシウム濃度を一定に保つ栄養素です。

カルシウム濃度が一定に保たれることで、骨格を健康に維持し、骨密度が下がりにくくなります。

ビタミンDは、サンマ・鮭・ウナギなどの食材から摂取することができますし、“日光を浴びる”ことでも生成できます。

夏であれば木陰で30分程度、冬であれば30分~1時間ほど日光浴の時間を作るのも良いかと思います。

ただし、長時間直接日光を浴び続けると熱中症の危険性もありますので、適度な日光浴を楽しむようにしてください。

3.骨に負担をかける運動をする

「負荷をかけると骨が消耗されるんじゃない?」と考える人もいるかもしれませんが、それは逆です。

骨は、“物理的な負荷をかけると丈夫になる”のです。

骨には、「古い骨を溶かす細胞(破骨細胞)」と「新しい骨をつくる細胞(骨芽細胞)」がおり、新陳代謝(古いものが新しいものに次々と入れ替わること)を繰り返しています。

これを“骨のリモデリング”といい、成長期が終わってもこの代謝は一生続くのです。

上記の“物理的な負荷”というのは、具体的に“衝撃”のことを指します。

例えば、ウォーキングを行うと、着地の際に足の裏・かかとなどに物理的な衝撃が加わります。

これが、“新しい骨をつくる細胞=骨芽細胞”を活性化させるのです。

そのため、ウォーキングやランニングなどの運動を、日々取り入れてみることをオススメいたします。

お歳を召した方であれば、散歩を習慣にしてみるのも良いでしょう。

もし「中々運動する時間が作れない」という方は、一駅分歩いてみたり、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段の上り下りを取り入れたりと、生活のなかで運動量を上げる工夫をしてみてください。

また、以下のような運動であれば、自宅でも簡単に行うことができます。

◆片脚立ち
◆かかと落とし
◆壁押し
◆しこ踏み
◆アキレス腱のストレッチ
◆背筋を伸ばすストレッチ

※腰や膝に痛みがある人は、事前にかかりつけの医師に相談したうえで取り組んでください※

これを1日15分~30分続けるだけでも、骨密度を上げる・維持する・減少を遅くすることはできます。

日々の生活のなかで運動をしっかり取り入れ、できる限り長く健康的な身体を維持できるよう工夫してみてください。

生活習慣を見直してみよう

骨粗鬆症になると骨折が起こりやすくなるため、外出や運動を控えるという方は少なくありません。

しかし、骨粗鬆症の予防・改善にはある程度“運動すること”が大切です。

自宅などに閉じこもって運動不足に陥ると「骨芽細胞」はいつまで経っても活性化しません。

そうなるとますます骨が脆くなり、骨粗鬆症が悪化しやすくなります。

もちろん無理のない範囲で行う必要があり、人によっては事前にかかりつけの医師に相談したうえで取り組む必要もありますが、可能な範囲で運動を取り入れてみることをオススメいたします。

また、運動不足が骨粗鬆症の原因の一つではあるものの、それ以外にも原因となる要素はあります。

例えば、以下のような場合です。

◆カルシウム・マグネシウム・ビタミンD不足
◆閉経による女性ホルモンの減少
◆加齢
◆遺伝による体質

多くの場合、骨粗鬆症は複数の要因が重なって起こり得るのです。

そのため、ここまでにご紹介した内容を取り入れ、生活習慣を改善する工夫を行ってみてください。

ちなみに、これは若者も他人事ではありません。

近年は、身体を動かす習慣がない(少ない)人も増えており、そういう人は「骨芽細胞」が活性化されずに骨の劣化が早まってしまいます。

子どものときからしっかりと運動をし、バランスの取れた食事を摂り、何よりカルシウムをたくさん摂って最大骨量をできるだけ増やす。

大人になってからも、運動とカルシウム摂取をしっかり行い、骨量の減少を防ぐ。

骨は、子どもから大人まで、一生涯をかけて丈夫にする努力が必要なのです。

女性は骨粗鬆症になりやすい?


骨粗鬆症は“女性がなりやすい”といわれており、65歳以上の女性の約半数が骨粗鬆症であるともいわれています。

女性に骨粗鬆症が多いといわれる理由は、以下が挙げられます。

◆体格が小さく骨への負荷が少ない=最大骨量が全体的に低くなること
◆閉経期に骨の健康に重要な女性ホルモンの量が減り、骨量が急激に減ること
◆平均寿命が男性よりも長いこと

さらに近年は、若い女性の“痩せへの意識”も問題視されています。

運動を取り入れ・バランスの取れた食事を意識する……といった“健康になるための取り組み”であればなんの問題もありません。

しかし、中には「見た目をとにかくスリムにしたい」といった理由で、極端な食事制限のみで痩せようとする人も多いのです。

極端な食事制限は、栄養不足に陥りやすくなり、下手をすれば摂食障害を招く原因にもなってしまいます。

カルシウム摂取不足が生じる恐れがありますし、極端な“痩せ”は骨粗鬆症のリスク因子になることでも知られています。

大切なのは、“痩せる”ことではなく、“健康的な身体を手に入れ・維持すること”です。

将来の自分のためにも、無理なダイエットはしないようお気を付けください。

まとめ

人の体を作る上で、主軸となるもっとも大事なパーツが「骨」です。

健康な身体で長く生きていくためには、骨の存在は欠かせません。

人は、「動く・食べる・寝る」の3つを繰り返して、今の身体がつくられています。

だからこそ、丈夫や骨や元気な体をつくるには、日々の生活習慣をより良くしていくことが必須となるのです。

これは、老若男女問わず、誰もが意識して取り組むべきことです。

“質の良い骨”とは、「しなやかさ」と「強度」と「密度」がバランスよく保たれている骨のこと。

そして、質の高い骨を作るためには、バランスの取れた食生活を心掛けることと適度な運動を行うことが大切です。

より良い生活習慣を心掛け、長く健康的な身体を維持できるよう、工夫してみてください。

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