育休明け・会社復帰など、「職場復帰」を行うために、日中子どもを預けることができる「保育園」の存在は欠かせません。
そして、現代はその保育園に入るために「保活」が必要不可欠なものとなっています。
「保活」とは、「子どもを保育園などに入れるために、保護者が行う活動」のことを指しており、この点の詳細は以前の記事にて詳しくご紹介をさせていただきました。
今回は、前回の記事でも少し触れた「点数」についてのご紹介と、「保活を有利に進めるためのポイント」について、詳しくご紹介していきたいと思います。
「点数」ってなに?
概要
まず、保育園は「認可」と「認可外」の2つに大別することができます。
◆「認可外保育園」;施設の裁量により独自の運営を行う保育園(原則、補助を受けることはできない)
“国や自治体が管理している”という安心感や、“保育料は世帯収入によって変化する”という特徴があることから、多くの家庭が「認可保育園に通わせたい」と考えています。
(もちろん、認可外にも特徴やメリットは存在します)
※「認可」「認可外」の特徴や違いは、以下を参照ください※
しかし、その分競争率は非常に高く、認可保育園に入園するためには“相応の条件”が必要となってきます。
それが何かというと、「保育の必要性があるかどうか」なのです。
認可保育園を利用するには、「保育の必要性の認定」を受けなければいけません。
つまり、“条件を満たしていないと、そもそも入園の申し込みを行うことすらできなくなる”のです。
この時に重要となるのが、「点数」です。
「点数」とは?
上記の通り、認可保育園には「条件」および「定員数」が存在します。
競争率が激しいことから、入園希望者が多いと当然「利用調整」をしなければいけません。
この時、各自治体が独自定める「審査基準(選考基準)」に基づいて選考審査が行われるのですが、この審査にて「保護者の状況などに応じて点数をつけ、その合計値を算出する」こととなります。
基本的に、この“点数が高い家庭”ほど、“より保育が必要である”と判断され、優先的に希望する保育園に割り当てられる仕組みとなっているのです。
保育園入園の「審査基準」について
「計算方法」は、決められている
上記でもご紹介した通り、認可保育園に申し込みをしても、必ずしもすべてのお子さんが保育園に入園できるとは限りません。
申し込みの後に、自治体によって「選考審査」が行われるのです。
選考審査を行う理由は、「入園希望者が多く、定員数を大幅にオーバーしてしまうため」です。
この審査の選考基準は、「選考指数(※)」と呼ばれる点数によって決められます。
(※「選考指数」「利用指数」など、自治体によって呼び方は変わる)
そして計算方法は、「選考指数=基本指数(父)+基本指数(母)+調整指数」であり、この合計値が「選考基準」となるのです。
ちなみに、「基本指数」と「調整指数」の詳細は、以下の通りとなります。
【概要】
◆保護者の基本的な状況を点数化したもの。「基準指数」とも呼ばれている。
【項目例】
◆保護者の就労状況や就労時間
◆介護・看護の状況
◆保護者の健康状態
◆ひとり親
など
≪調整指数≫
【概要】
◆家庭の事情を配慮して点数化した指数
【項目例】
◆両親意外に預けられる身内の有無
◆兄弟の保育状況
◆祖父母や親族との同居有無
◆単身赴任など保護者の別居
◆認可外保育園の利用
◆特別支援を必要とする障がい児
など
この合計点が高いほど、「保育の必要性が高い」と判断され、優先的に保育園に入園できる仕組みとなっているのです。
ちなみに、この点数は“同点”で並ぶことも多く、待機児童が多い都市部などでは「どの子供を優先的に入園させるか”優先順位”まで決められている」こととなります。
最後に。
この審査基準ですが、配点ルールは自治体によって異なります。
「自身の家庭の持ち点がいくつになるのか?」については、各自治体の公式サイトで確認を取ってみてください。
また、「調整指数」というのは、社会情勢の影響を受けやすいのが特徴となっています。
社会情勢や保護者の声を受けて内容が見直されることもあるため、基準は少しずつ変化していきます。
この点も、都度確認を取っておくことをオススメいたします。
「加点」のポイントについて
上記でも記載した通り、この「選考指数」の配点ルールは自治体によって異なるため、各自治体の公式サイトで確認を取ってみてください。
ただし、初見の人だと「どのように計算するべきなのか?」「何点がボーダーラインなのか?」「点数が足りない場合はどのような点で加点となるのか?」などは、なかなか判断が付かないと思います。
この点については、各自治体に相談に行くのがベストです。
尚、一つ注意しておかなくてはいけないのは、「点数は”自己申告”ではなく、入園申込書類をもとに自治体側で算出される」ということです。
このことから、“自分で算出した点数=実際の選考で用いられる点数とは限らない”となります。
資料などをもとに点数を算出してみたら、自治体の役所の担当者に確認を取って、答え合わせをしてみるといいかと思います。
仮に想定よりも低い点数だった場合であっても、その場で本来加点できるのに漏れているポイントがないか確認も可能です。
保活を有利に進める「ポイント」について
保活を進めている中で、子どもを認可保育園に預けるためにできることは、いろいろと存在します。
この項目で、情報収集意外にできる「保活のポイント」について、ご紹介したいと思います。
まずは端的に要点だけをまとめてみると、以下が挙げられます。
②「認可外保育園を利用して、加点を狙う」
③「認可保育園に入れなかったときの対処法を考えておく」
順に捕捉を加えていきましょう。
ポイント1.「自治体に正しい情報を確認する」
入園の選考基準や調整指数の点数は家庭によって変わってきますし、審査基準も自治体によって大なり小なりの変化があります。
特に初めて保活を行う人だと、「保活の方法が分からない」「点数の計算方法が分からない」「入園案内を読んでもよく分からない」など、分からないことが多々あるかと思います。
こういう時は、直接自治体の「入園相談窓口」に行き、正しい情報を確保するようにしましょう。
ちなみに、人によっては、口コミやインターネットで情報を仕入れようとする方もいるかもしれません。
しかし、この方法はあまりオススメはできません。
なぜなら、「家庭環境は、人(家庭)によって変わるから」です。
大まかな情報を口コミやインターネットで調べるのは良いですが、詳細を確認したい場合は「入園相談窓口」に行って、“あなたの家庭環境に沿った情報提供を受ける”のがベストかと思います。
ポイント2.「認可外保育園を利用して、加点を狙う」
職場復帰をする年に「認可保育園に入園できなかった」というご家庭もあるかと思います。
そういう時は、一旦認可外保育園などにお子さんを預けて「入園待機」の状態にしておくのも一つの手段といえます。
その理由は、「調整指数に加算される可能性がある」からです。
ただし、これは自治体によりけりではあります。
(加点数も自治体によって変化する)
そのため、この点についても自治体にしっかりと確認を取っておいた方がいいでしょう。
ポイント3.「認可保育園に入れなかったときの対処法を考えておく」
ここまでにお伝えした通り、認可保育園は競争率が激しく、希望通りの施設はもちろん必ずしも入園できるとも限りません。
そのため、保活の時点で「認可保育園に入れなかった場合にどうするべきか?」まで、しっかりと考えておくことが大切です。
「私の家庭では、絶対に認可にしか入園させない」「絶対に認可しか見学しない」という考えで行動するのも、別に間違ったことではありません。
しかし、もし仮に認可園に入園できず、他の候補を一切調べていなかったらどうなるか……?
その場合、入園先が決まらず、お子さんは「待機児童」という状態になってしまいます。
そうなれば日中もずっと子どもの面倒を見なければいけないため、職場復帰どころではなくなります。
認可外を検討する場合には、「ベビーシッター」や各企業の従業員のために設置されている「企業主導型保育園」も検討してもよいかもしれません。
なんにせよ言えることは、「事前にさまざまな方法を検討しておくことで、もしもの時に慌てずに行動することができる」ということです。
いざという時に慌てることがないよう、保活の時点でさまざまな選択肢を広げておくことをオススメします。
まとめ
以上が、「点数」や「保活を有利に進めるためのポイント」のご紹介となります。
保活は、お子さんの入園が決定するまでは、なかなか安心できるものではないと思います。
また、お子さんの面倒も見ながら家庭のこともし、さらに「保活」や「就活」も行っていかなくてはならない……。
とてもではありませんが、これをママさん一人で対応することは不可能ですし、肉体的にも精神的にも多大なストレスとなります。
保活においてもっとも重要なのは、「保活は、”家庭”で行うべきものである」ということです。
決して、ママさん一人で行うものではありません。
また、分からないことがあれば家庭内で悩まずに、かならず自治体の入園窓口に相談に行くようにしてください。
入園しやすいアドバイスや新設施設など、新しい情報を教えてもらえる場合もありますので、必ず家庭の力となってくれるはずです。
自治体の情報を参考にしながら、早めに情報収集をしたり、入園するための点数を確保するために動くことが大切になってくるかと思います。
保活は大変ですが、愛する子どものためにもうひと頑張りする時期です。
ぜひ家庭で協力し合って、お子さんにとってベストな保育園に入園できるよう、頑張ってみてください。