作業療法士は介護施設や病院など多くの環境で、病気や怪我を負った患者さんに対して日常生活に必要な動作のリハビリテーションを行う専門職です。
この記事は気になる平均年収を、年代や職場別などカテゴリー別で解説していきます。
また、作業療法士がどうやって年収を増やすのかについての秘訣も解説していきます。
作業療法士の平均年収は?
作業療法士の平均年収は約413万円
厚生労働省が実施した令和元年賃金構造基本統計調査によると、作業療法士の平均の年収は大体413万円という結果でした。
平均年齢が33.3歳と若い傾向にあることから、413万円という年収は妥当と言えるのではないでしょうか。
平均年齢
月収
ボーナス
年収
33.3歳
29万円
65万円
413万円
年代・性別ごとの平均年収は?
作業療法士の年代や性別ごとに平均年収を分けました。以下のとおりです。
年齢 | 男性 | 女性 |
20 ~ 24歳 | 317万円 | 311万円 |
25 ~ 29歳 | 373万円 | 363万円 |
30 ~ 34歳 | 403万円 | 381万円 |
35 ~ 39歳 | 458万円 | 406万円 |
40 ~ 44歳 | 473万円 | 446万円 |
45 ~ 49歳 | 498万円 | 461万円 |
50 ~ 54歳 | 564万円 | 477万円 |
55 ~ 59歳 | 549万円 | 517万円 |
60 ~ 64歳 | 443万円 | 488万円 |
女性は産休や育児休暇の兼ね合いもあるので、全体的に見て男性の方が高い傾向にあります。
年代別に見ると年収が一番高いのは男性で50〜54歳、女性で55〜59歳という結果になりました。
男女ともに結婚や子育て世代となる35歳以降は年収も400万円を上回っており、子どもを産み育てていくために必要な収入は得られると考えて良さそうです。
作業療法士の初任給
新卒者の多い20〜24歳の平均給与から見て、作業療法士の場合は初任給は20万円前後だと言えるでしょう。
また、ボーナスについては男性で約29万円、女性で約35万円となっています。
同世代の他職種と比べても平均的な数字であると言えるでしょう。
月収
ボーナス
年収
男性
24万円
29万円
317万円
女性
23万円
35万円
311万円
職場別に見る平均年収
作業療法士の働く現場は医療施設だけではなく、介護や福祉施設など様々な分野があります。
ここでは平均年収について解説していきます。
医療施設
作業療法士の働く場所として最も多いのが、病院や診療所などの医療施設です。
平均年収は、大体350〜450万円で作業療法士全体から見ても平均的であると言えます。
求人の数も一番多いので、待遇の良い職場を見つけやすいとも言えます。
介護施設
介護施設で特徴的なのが、年収500万円を超える求人が見られることです。
近年の高齢化の影響で介護施設は常に人手不足の状態です。
そのため、介護老人保健施設や通所リハビリ施設など作業療法士を必要としている施設がたくさんあります。
思いがけず好待遇の職場も多いので、医療施設だけではなく介護施設も選択肢の一つとして検討してみても良いかもしれません。
福祉施設
作業所などの障害福祉施設で働く作業療法士の平均年収は、約250〜400万円程度と作業療法士全体の平均からは低めとなっています。
高齢者施設に比べると需要が少ないというのが原因かもしれませんが、生活動作のリハビリテーションを行う作業療法士は、高次脳機能障害などの障害を持つ人が通う施設にとっては欠かせない存在です。
公務員
作業療法士の中には地方公務員として保健センターや自治体で働いている人もいます。
公務員としての作業療法士の場合は平均年収が約400〜500万円となっています。
公務員は何と言っても民間と比べて安定しているということが魅力です。
年収も作業療法士全体の平均と比べて同程度〜高めとなっています。
公務員ですから公務員試験を突破する必要はありますが、安定を求める人は挑戦してみても良いのではないでしょうか。
介護職・医療職の平均年収
作業療法士が働いている医療や介護の現場には、様々な人たちが働いています。
ここでは他のお仕事と比べて作業療法士の平均年収がどれぐらいなのかを解説していきます。
平均年齢 | 月収 | ボーナス | 年収 | |
作業療法士 | 33.3歳 | 29万円 | 65万円 | 413万円 |
看護師 | 39.5歳 | 33万円 | 82万円 | 478万円 |
栄養士 | 35.4歳 | 25万円 | 61万円 | 361万円 |
介護支援専門員 | 49.9歳 | 28万円 | 63万円 | 399万円 |
ホームヘルパー | 48.9歳 | 24万円 | 39万円 | 327万円 |
福祉施設介護員 | 42.6歳 | 24万円 | 53万円 | 341万円 |
職種別に見ると、作業療法士の平均年収は他職種に比べて高い傾向にあることがわかります。
また、平均の年齢が他の職業に比べると若いことが特徴で、作業療法士は年齢が若くてもある程度の収入を得られると言えるでしょう。
作業療法士が収入アップを目指す方法
平均の年収が約413万円となっていますが、今よりもっと年収をアップさせたいという人のために年収アップを目指す方法について解説していきます。
年収が高めの分野の求人を探す
作業療法士と言うと病院や診療所などの医療施設で働くイメージが強いと思いますが、それだけではありません。
医療施設に比べて年収が高い分野の求人を手に入れることができれば、今よりも収入をアップさせることができます。
①介護施設
人手不足の介護施設では、作業療法士の平均年収(413万円)を上回る求人も少なくありません。
今後の高齢化社会において、作業療法士のニーズはますます広がっていくでしょう。
介護老人保健施設、通所リハビリテーション、訪問看護ステーションなど、作業療法士を必要としている介護施設はたくさんあります。
②公務員
作業療法士の求人として狙い目なのが公務員です。
求人数自体は多くありませんが、何と言っても年功序列なので年々給料は確実に上がっていきます。
長く勤めれば務めるほど年収も上がっていきますので、続けていれば作業療法士の平均年収を上回ることも可能でしょう。
認定作業療法士になる
認定作業療法士とは、日本作業療法士協会が認定する一定水準以上の能力を有する作業療法士のことです。
今後作業療法士のニーズの拡大が見込まれることから、認定を受けた作業療法士に一定の手当を支給している職場もあります。
また、スキルが認められることで管理職へのステップアップもしやすくなりますから、認定作業療法士を目指してみるのも選択肢の一つではないでしょうか。
まとめ
平均年齢が若いことから若くてもある程度の収入を得られることがわかります。
また、男女の平均年収の差が少ないのも特徴で、女性にとっては働きやすい職種なのではないでしょうか。