柔道整復師とは骨折や捻挫などの怪我を負った人に対して、外科的手術を伴わない非観血的療法で治療を行う専門家です。
接骨院や整骨院で働く印象のある柔道整復師ですが、平均年収は一体どのくらいなのでしょうか。
この記事では柔道整復師の平均年収を年齢や職場別にわかりやすく解説していきます。
柔道整復師の平均年収は?
柔道整復師の平均年収は300~600万円
柔道整復師の平均年収は約300~600万円ほどだと言われています。
厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、その他保健医療従事者(柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師など)の平均年収は約406万円という結果でした。
平均年齢 | 月収 | ボーナス | 年収 |
38.1歳 | 28万円 | 70万円 | 406万円 |
他のリハビリ職や医療職と比べると、理学療法士が406万円、看護師が458万円、栄養士が379万円でした。
このことから柔道整復師の平均年収は、他のリハビリ職や医療職と比べても平均的であるということが理解できます。
働く場所は、整骨院や接骨院以外にも医療や介護施設など多岐に渡ります。
そのため、それぞれの職場によって収入は違ってきます。
また、柔道整復師は独立開業ができることから自分次第で年収をアップさせていくことも可能です。
年齢別平均年収
柔道整復師の年齢別に見る平均年収です。
年齢 | 月収 | ボーナス | 年収 |
20 ~ 24歳 | 22万円 | 31万円 | 295万円 |
25 ~ 29歳 | 25万円 | 62万円 | 362万円 |
30 ~ 34歳 | 26万円 | 67万円 | 379万円 |
35 ~ 39歳 | 30万円 | 85万円 | 445万円 |
40 ~ 44歳 | 31万円 | 80万円 | 452万円 |
45 ~ 49歳 | 30万円 | 70万円 | 430万円 |
50 ~ 54歳 | 34万円 | 107万円 | 515万円 |
55 ~ 59歳 | 33万円 | 114万円 | 510万円 |
60 ~ 64歳 | 30万円 | 46万円 | 406万円 |
65 ~ 69歳 | 22万円 | 40万円 | 304万円 |
70歳~ | 17万円 | 6万円 | 210万円 |
年齢別に見ると一番高いのは、50~54歳の515万円となっています。
他職種に比べると少し低いと感じるかもしれませんが、開業という道を選択する柔道整復師は自分次第で年収をアップさせることも十分に可能であると言えます。
経験年数別平均年収
続いて経験年数別の平均年収です。
経験年数 | 月収 | ボーナス | 年収 |
1年未満 | 24万円 | 72万円 | 360万円 |
1~4年 | 23万円 | 52万円 | 328万円 |
5~9年 | 26万円 | 65万円 | 377万円 |
10~14年 | 29万円 | 80万円 | 428万円 |
15年以上 | 34万円 | 99万円 | 507万円 |
平均勤続年数が8.4年と他の医療職に比べて短いことから、ある程度経験を積むと独立や転職をする人も多いと言えるかもしれません。
同じ場所で長く勤めるよりも、キャリアアップを目指して独立や転職をするのも選択肢の一つだと言えるでしょう。
柔道整復師の初任給
年齢別の平均年収や経験年数別の平均年収から見ると、柔道整復師の初任給は22~24万円程度だと言えます。
他のリハビリ関係の仕事や、医療関係の仕事と比べると、理学療法士が24万円、看護師が25万円、栄養士が22万円程度となっており、柔道整復師の初任給は他のリハビリ職や医療職と比べて平均的であると言えるでしょう。
職場別に見る平均年収
柔道整復師の働く場は、整骨院・接骨院以外にも医療や介護施設、スポーツ関連など多岐に渡ります。
ここでは職場別の平均年収の違いついて解説していきます。
整骨院・接骨院
整骨院や接骨院に就職した場合の平均年収は、約300~400万円程度だと言われています。
整骨院や接骨院には、将来独立を考えている新人の柔道整復師が勤めることが多いです。
ですから新人の平均年収としては300~400万円程度ですが、長く勤めれば500万円以上の年収を得られるケースもあります。
また、接骨院や整骨院は正社員だけではなくパートやアルバイトの募集をしているところも多くあります。
パートやアルバイトの柔道整復師の時給は900~1200円ほどのところが多いです。
医療機関
病院や診療所などの医療機関に勤める柔道整復師の平均年収は、整骨院や接骨院に勤める場合とほぼ同程度で約300~400万円程度です。
こちらもあくまで経験年数の浅い新人の基準となるので、経験を積んだ柔道整復師であればさらに年収をアップさせることが可能だと言えます。
独立開業を目指さずに安定して勤めたい人は、医療機関に就職するのも選択肢の一つです。
スポーツ関連
柔道整復師の中にはスポーツジムやスポーツチームに所属し、スポーツトレーナーとして活躍している人も多くいます。
プロのスポーツ選手やスポーツチームと契約する場合は、年棒制となることが多く平均300~1,800万円と幅が広くなっています。
プロのスポーツ選手やスポーツチームと契約するためには、スポーツジムなどで経験を積む必要があります。
スポーツジムに勤めた場合の平均年収は、約300~400万円と整骨院や接骨院に勤めた場合とほぼ同程度です。
将来的にスポーツ業界で活躍したい人は、スポーツジムに就職して経験を積んでおくと良いでしょう。
介護施設
デイサービスなどの介護施設に勤める柔道整復師の平均年収は、約300~450万円。
介護施設に勤める場合、機能訓練指導員として働くことになります。
高齢化に伴い、機能訓練指導員が不足している施設が多く年収も高い傾向にあります。
年収を上げることを目標にしている柔道整復師は、介護業界で高待遇の就職先を探すことも選択肢の一つだと言えるでしょう。
独立開業
日本柔道整復師会が実施した調査によると、平成30年度の平均売上高として年間500万円以上の柔道整復師が全体の45.4%という結果になっています。
さらに、年間1,000~1,500万円の売上がある柔道整復師の割合も13.1%となっています。
このことから、独立開業をした柔道整復師は企業に勤めるよりも年収をアップさせることが十分に可能であると言えます。
まずは整骨院や接骨院で経験を積み、独立を目指してみるのも良いかもしれません。
柔道整復師が年収を上げる方法
ここでは、柔道整復師が年収をアップさせる方法について解説していきます。
独立開業をする
こちらは日本柔道整復師会会員の平成30年度平均売上高です。
売上 | 比率 |
500万円未満 | 45.8% |
500~1,000万円 | 32.3% |
1,000~1,500万円 | 13.1% |
1,500~2,000万円 | 4.9% |
2,000~2,500万円 | 1.9% |
2,500~3,000万円 | 0.9% |
3,000~3,500万円 | 0.5% |
3,500~4,000万円 | 0.2% |
4,000~4,500万円 | 0.2% |
4,500~5,000万円 | 0.1% |
5,000万円以上 | 0.1% |
このことから、独立開業をしている会員の半数は年収500万円以上であることが分かります。
整骨院・接骨院や医療機関に勤める柔道整復師の平均年収が約300~400万円であることから、独立開業をした柔道整復師の平均年収はかなり高い傾向にあることが分かります。
整骨院や整骨院は全国的に見ても数が多く、競合が非常に多いです。
ですから、ある程度柔道整復師として経験を積んでから独立することが賢明であると言えるでしょう。
認定柔道整復師になる
認定柔道整復師とは、日本柔道整復接骨医学会が認定する一定の認定基準を満たした柔道整復師のことです。
会員として5年以上在籍していることなどの基準があることから、認定柔道整復師は高い水準の柔道整復師であることの証となります。
柔道整復師としてキャリアアップを目指すのであれば、取得しておくと良いかもしれません。
まとめ
柔道整復師の平均年収は、約300~600万円程度で他のリハビリ職や医療職と比べて平均的であると言えます。
しかし、独立開業をしている柔道整復師の半数は年収500万円を超えていることから、自分次第で年収をアップさせることも可能であると言えます。
まずは整骨院や接骨院などに勤めながら、キャリアアップを目指すのが良いでしょう。