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あん摩師法の違反事件について紹介します。

スーツの男
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あん摩師の違反事件について知っていますか?

あん摩師の仕事は慢性的な肩こり腰痛などの症状をマッサージによって改善することですが、国家資格がなければ施術を行うことはできません。

今回はあんま師の法律で違反になる事例について、詳しく解説していきます。

あんま師法の違反事件

本

あんま師とは?

マッサージを行うための国家資格である、あん摩マッサージ指圧師。

肩こりや腰痛など、身体のコリや痛みに対してマッサージを行い不調を改善させる専門家です。

もともとは、はり・きゅうとともに中国で古くから伝わる東洋療法の一つとして日本に伝えられました。

はり・きゅうと違い、自分の手を使った手技のみで施術をします。

あんま師法とは?

「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(以下あんま師法)」という法律で、あん摩師に関する取り決めがされています。

主な内容は、以下のような項目です。

・あん摩師の名称を使うことについて

あん摩マッサージ指圧師になるためには、国家資格を得る必要があります。

・健康保険について

あんま師は医師の同意書がある場合を除き、脱臼や骨折の施術をすることができません。
また、手術を伴う治療や薬の処方などをすることができません。

・あんま師の広告について

あんま師が広告に掲載できるのは、以下の項目のみです。

①施術者の氏名と住所
②業務の種類(あんま師)
③マッサージ院の名称・住所、開設時間や日程
④厚生労働大臣が認める内容

・開業した場合について

開業した際は、10日以内に都道府県知事に届出をしなくてはいけません。

違反になる可能性がある項目
あんま師法で定められている内容によると、以下のような項目は違反となります。

・資格を取得せずに業務を行うこと

マッサージによる施術を行うことができるのは、あん摩師の国家資格を有している人だけです。

マッサージはあん摩師の業務独占なので、それ以外の人が行うことは違反になります。
また、柔道整復師・はり師・きゅう師の資格を有している場合でもマッサージ行為は行うことができません。

・法律で定められた内容以外の広告

施術者の技能や施術方法、自身の学歴や職歴を書くことは認められていません。

その他にも、医師の同意なしに保険適用の施術が受けられると思われるような内容や医療業を行っていると受け取られるような内容、施術の効果について触れるような内容などが禁止されています。

あんま師法の違反事件①

2004年にあん摩マッサージ指圧師の資格を持たない者を、「マッサージ師」として雇っていたマッサージ師派遣会社の関係者が逮捕されました。

これはあんま師に関する法律に違反していることから、当時の経営者逮捕されることとなりました。

あんま師法の違反事件②

2009年にあん摩マッサージ指圧師の資格を持たずに、マッサージ店舗を経営していたことで関係者が逮捕されました。

この事例も、あんま師法の第一条に反するものです。

違反防止に関する厚生労働省の取り組み

近年あん摩マッサージ指圧師の資格を得ていない者によるマッサージ行為が横行しています。

そういった違反行為を防ぐために、政府は通知リーフレットの作成を行っています。

平成28年4月から、有資格者であることを示すための「厚生労働大臣免許保有証」が作成されています。

マッサージ院の従業員が資格者であるかどうかの確認は以下の方法で判断できます。

①マッサージ院の看板や広告に資格を持っている旨の記載があるかどうか

②治療院の中に「保健所に届出をした旨」「施術者の免許登録番号」などを記載した書面があるかどうか、施術者が「厚生労働大臣免許保有証」を身につけているかどうか

マッサージなどの施術を受ける際はこれらの項目を確認すると良いとされています。

また、自身が治療院などを開業する際も上記の2点をしっかりと押さえておくと良いでしょう。

あんま師の広告に関する違反について

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広告に関する違反について

あん摩師法では、広告についても掲載が可能な範囲が示されています。

法律で決められている内容に反することを書くと、違反とみなされて30万円以下の罰金を課せられることもあります。

広告を作成する際は、法律の内容をきちんと守った上で作成することが大切です。

法律に反する広告となる可能性がある事例

以下のような内容を記載した場合、法律に反する可能性があります。

・施術者の職歴・学歴など

施術者のこれまでの職歴学歴を掲載することは禁止されています。

・医療業と勘違いするような内容

「〇〇の症状を治療できます」などのように、医者が行うような内容を記載することは禁止されています。

・施術による結果を誇張する内容

「アンチエイジングへの効果があります」「〇〇の効能があります」といった、施術でどのような結果が出るのかを記載することは禁止されています。

・医師の同意なく保険適用ができると誤解する内容

あんま師は、医師の同意なく保険適用の施術を行うことができません。

「保険適用」「自己負担〇〇円」などのような、健康保険が使えると受け取られるような内容を記載することは違反とされています。

・交通事故に関する内容

あんま師が怪我を施術できるのは、交通事故による打撲・捻挫・挫傷などの怪我でありその他の施術はできません。

また、その施術に対して自動車保険で一部が保障されることとなっています。

広告を掲載するときはこのことについて、詳細に説明をする必要があります。

あん摩師の仕事をする上で注意したいこと

読書

国家資格を取ること

近年、無資格であんまマッサージ指圧を行う事例が多発しています。

マッサージ師として働きたいのであれば、法律を遵守して業務を遂行する必要があります。

マッサージ行為は、あん摩マッサージ指圧師の業務独占であると法律で定められています。

あん摩マッサージ指圧師の資格を取るためには、専門の学校を卒業して毎年2月に行われる国家試験に合格することです。

認められていない施術を行わない

最近では、柔道整復師によるマッサージについても問題となっています。

たとえば、柔道整復師の資格を持っていたとしてもマッサージはあん摩マッサージ指圧師の業務独占ですからマッサージ行為を行うことはできません。

柔道整復師が保険適用を行えるのは、骨折や捻挫などの怪我の治療だけです。

腰痛や肩こりなどの症状に対するマッサージを、怪我の治療として保険請求を行うことは違反事例となります。

同じように、あん摩マッサージ指圧師が柔道整復師などの業務を行うことはできません。

自分の有している資格の範囲をしっかりと理解し、業務外の行為は行わないようにすることが大切です。

まとめ

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あん摩師法で違反とされている内容は、大きく分けて「資格のない者による業務」「法律の内容に沿わない広告を掲載すること」2つです。

マッサージ業務を行うためには、そのための国家資格を取ることが必要です。

また、施術者の経歴や施術の効果を謳った広告を掲載することは違反とされています。

あんま師として活躍するためには、法律についてもきちんと理解しておくことが大切です。

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