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社会福祉士の男女比率・女性のキャリアパスについて解説!

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福祉におけるさまざまな悩みごとの相談に乗り、適切なサービスを案内・仲介する「社会福祉士」という仕事。

相談・支援が主な業務となるため、この仕事は「性別」に関係なく男女どちらにも行える仕事です。

しかし、結論を言うと「社会福祉士は女性の方が多く活躍しており、女性に人気のある職業である」という結果が出ています。

それはなぜか?

今回は、「社会福祉士はなぜ女性に人気があるのか?(男女比率についても)」や、「社会福祉士として働く女性のキャリアパス」について、詳しくご紹介していきたいと思います。

社会福祉士の男女比率はどうなっているのか?


社会福祉士として仕事をしている人は日本全国におり、冒頭でもお話した通り性別に関係なく職に就くことが可能です。

しかし、社会福祉士として仕事をしている人は“女性の方が多い”と言われています。

それは「社会福祉士国家試験」“男女別の合格者数の割合”を見れば一目瞭然です。

例えば、令和2年度の国家試験の合格者数(男女別の割合)は、以下のようになっています。

【令和2年度(第32回)】
◆男性:3,997人(34.4%)
◆女性:7,615人(65.6%)

ご覧の通り、おおよそ2倍弱の開きがあります。

これは、それ以前の合格者数の割合も同様です。

【平成31年度(第31回)】
◆男性:34.3%
◆女性:65.7%

【平成30年度(第30回)】
◆男性:35.0%
◆女性:65.0%

男女割合はおおよそ“3:7”“4:6”ほどで推移しており、男性よりも女性の方がかなり多い職業であるといえます。

では、この理由はなぜなのでしょうか?

社会福祉士が女性に人気の理由

性別による仕事内容の差はない

社会福祉士の仕事内容は多岐に渡り、相談・支援対象によって勤務する施設は千差万別です。

しかし、どの施設に勤務していたとしても“性別による仕事内容の差はない”といえます。

また、昇進による有利・不利なども一切ありません。

では、なぜ女性の割合が多いのか?その理由は、大きく以下の3つが挙げられます。

①細やかな気遣いが必要な仕事だから
②基本的に筋力や体力が不要であるから(ただし例外はある)
③無理なく仕事を続けやすいから

それぞれ、個別に掘り下げていきましょう。

理由①:細やかな気遣いが必要な仕事だから

これは福祉業界全体に言えることですが、福祉職は男性よりも女性の方が割合が多いです。

その理由の一つに、介護をはじめとした福祉の職業は“人に寄り添う仕事である”というのが挙げられます。

他の仕事以上に細やかな気遣いが必要であり、女性ならではの“気配り・優しさ・温かみ”は、対象者に安心感を与えやすいのです。

特に、虐待やDV(家庭内暴力)などの被害者と接する時は、この“安心感”が非常に重要となってきます。

虐待を受けている子どもと接する時は「母性」が、DVの被害に遭っている女性であれば「同性」として、より相談者に共感し・相談者の心を開きやすくなると考えられています。

ただし念のため補足しておきますが、“女性の方が向いている人が多い”というだけであり、男性にはできない仕事という訳ではありません。

男性の中にも、雰囲気から優しさがにじみ出ている人や、気配り上手な人もたくさんいます。

あくまで割合で見た場合の話ですので、その点はご留意ください。

理由②:基本的に筋力や体力が不要であるから

社会福祉士の主な業務となるのは、“相談・支援・仲介業務”です。

そのため、身体面で強くなければならない業務は基本的にありませんので、女性でも働きやすいという点が挙げられます。

ただし、一つ注意点があります。

それは、「介護業界の社会福祉士の仕事に就いた時」です。

介護業界であれば、相談・支援業務の他に「利用者の介助」を任されることがあります。

逆に言うと「元々介護業界で働いていた人が年齢とともに筋力や体力が衰えてきたため、社会福祉士に転職する」というケースもあります。

理由③:無理なく仕事を続けやすいから

女性は「結婚/出産/育児」などライフイベントが多く、環境に応じて働き方を変えるケースが多々あります。

社会福祉士……というより福祉業界は雇用形態がさまざまにあるため、ライフスタイルに合わせて働き方を変えやすいという特徴があるのです。

常勤ではなく非常勤職員として働きつつ、家事や育児と両立する人も大勢いらっしゃいます。

また、“社会福祉士は国家資格である”ため、復職しやすいという点も女性に人気がある理由と言えます。

男性が社会福祉士を目指し辛い理由


性別に関係なく男性でもなれる社会福祉士ですが、前項の通り割合としては女性の方が多いとされています。

女性が多い理由は上記で挙げた通りなのですが、実は男性が「社会福祉士を目指し辛い理由」というのもあるのです。

その理由は、大きく2つあります。

①「非正規職員」での募集が多いこと
②給与や待遇が一般的な水準よりも低いこと

こちらも、それぞれ補足していきたいと思います。

社会福祉士は「非正規職員」での募集が多い

社会福祉士は、社会に必要とされている仕事ではあります。

しかし、事業所単位でみると社会福祉士を正規職員で雇った場合「利益が出にくい」のです。

「福祉職なのに、利益を重視するの?」と中には感じる人もいるかもしれませんが、各事業所も慈善事業で施設を運営している訳ではありません。

施設の運営費はもちろん、社員の給与を支払ったり・より良いサービスを提供するために、どうしてもお金が必要となってくるのです。

だからこそ、人件費を抑えるために“非正規職員での募集が多い”と言われているのです。

給与や待遇が一般的な水準よりも低いこと

特に介護業界に多いのですが、給与や待遇は一般企業に勤める人と比べても水準が低めとなっています。

上記でご紹介した通り“非正規雇用”での求人募集も多いことから、「それならサラリーマンの道に進む方が良い」と考える男性も多いのです。

ただし、ここでご紹介した内容はあくまで一例であり、「給与や待遇がしっかりしている事業所」も探せば見つけることはできます。

また、公務員として勤務すれば、待遇は充実しており・給与も勤務年数に比例して増加し続けていきます。

ただし、“狭き門”であることは事実です。

今後、社会福祉士の働き方は良くなっていくのか?

結論から言うと、「社会福祉士は今後も必要とされる職業であり、働き方が改善されていく可能性はある」です。

社会福祉士の将来性については、以前に別の記事でご紹介しておりますので、以下をご覧ください。

病気・障害・虐待・DVなど……、現在の日本はさまざまな問題を抱えています。

2020年からは「新型コロナウイルス」の影響で生活困窮者も増加しています。

そして極めつけは「超高齢化社会」に突入しており、今後も高齢者は増加し続けるということです。

「少子化」も問題になっている昨今、一人暮らしの高齢者も増加しており、今後はより社会福祉士のもとに相談しに来る人が増加するものと考えられています。

また、「介護業界」は以前より人手不足が深刻であり、「給与に見合った仕事量ではない」として多くの人が声を上げています。

国や自治体は「働き方改革」を積極的に推進しており、今後はより福祉業界にも働き方改革のメスが入ってくるものと考えられています。

このことから、社会福祉士も働き方に対する環境改善がなされていくものと期待されています。

女性はもちろん、男性にも働きやすい環境が提供され、より社会福祉士を目指す人の数も増えていく可能性もあるかもしれません。

あくまで可能性の話ではありますが、今や働き方改革は多くの企業で行われています。

福祉業界も例外ではありません。

今後のためにも、より働きやすい環境が整えられていくことを切に願っております。

社会福祉士における、女性の「キャリアパス」について


「キャリア」は”職歴”を意味し、「パス」は”道”を意味しています。

つまり「キャリアパス」というのは、仕事における最終的な目標を定め、そこに向かって進んでいくための道筋を表しているのです。

上述でもご紹介した通り、女性は「結婚/出産/育児」などライフイベントに応じて自身の置かれる環境が大きく変化します。

この項目にて、状況に応じた「働き方の変化」についてご紹介をしていきたいと思います。

資格取得~就職について

まず、社会福祉士のなり方については、以下記事にて詳しくご紹介しておりますので、そちらをご覧ください。

指定の学校に通い、学校・ハローワーク・求人サイトなどを活用しながら就職先を探し、勤務する。

この点については、性別による違いはほぼありません。

結婚後の働き方について

結婚後は、家事を担当する機会が増えてくる女性も多いかもしれません。
(もちろん男性が家事を行う場合もありますが)

この時に大切なのは、「仕事と家庭生活を両立させることは可能なのか?」という点です。

正直なところ、これは“勤務する施設によりけり”です。

社会福祉士の仕事は、各施設の営業時間に合わせて働くこととなります。

相談・支援が主な業務となるため、基本的な勤務時間は「9時~18時」がベースとなっており、残業がそこまでかさむこともないかと思います。

公務員であれば定時で帰宅できることも多く、休日も「土日休みの週休2日制」などと設定されていることも多いでしょう。

そのため、上記のような場合はワークライフバランスが取りやすいかと思います。

しかし、介護施設や病院などに社会福祉士として勤務する場合は「介助」を担当することも多く、施設によっては早出/遅出/夜勤などが発生することも少なくありません。

もちろん、勤務はシフト制で動くことが基本となるため、決まった休みも取りづらくなります。

この場合は、逆に仕事と家庭生活を両立させることが難しくなってしまいます。

また、相談・支援業務についても、平日に来れない相談者に対応するため、土曜日も営業している施設は多いです。

この点は施設によりけりであるため、「仕事家庭の両立が難しい……」と感じる人は、転職を検討してみるのも一つの手段と言えるかもしれません。

勤務先によっては、仕事と家庭生活を両立させることは十分に可能となります。

社会福祉士と子育ての両立は可能なのか?

まず、社会福祉士は女性の勤務割合が多い職業であることから、育児に対して理解のある職場が多いのが特徴です。

産休・育休制度も整っているところが多く、休暇取得中は非常勤で代替職員を雇い、他のスタッフに負担がかからないよう配慮されることもあります。

※「産休」「育休」の詳細は、以下記事をご覧ください※

復職後も時短勤務が認められていたり、キャリアが途切れないようにさまざまな面でサポートしてくれる職場もあるため、他職種に比べても「仕事と子育てを両立しやすい」と言えるでしょう。

ただし、こちらも上記と同じく勤務する施設によりけりではあります。

特に介護業界は人手不足が顕著なため、代替職員を雇うことは難しく、(他の福祉業界も含め)すべての職場で手厚い支援体制が整っているわけではありません。

もし「仕事と子育ての両立は難しい……」と感じる場合は、一旦退職を検討してみるのも一つの手段ではないかと思います。

社会福祉士は国家資格であり、就職の際には大きな武器になります。

また、復職を考える際は非正規職員まで求人検索の幅を広げれば、求人数は豊富に見つけることができます。

仮にブランクがあったとしても、働き口を見つける分にはさほど苦労はしないのではないかと思います。

まとめ:社会福祉士=女性が一生働ける仕事なのか?

結論としては「社会福祉士=女性が一生働いていける仕事である」と言えます。

体力・筋力をさほど必要とすることはなく、育児に対する理解がある職場も多い。

また、ライフイベントに合わせて働き方を変えることもでき、国家資格を所持していれば転職や復職も行いやすい。

もちろん施設によりけりではありますが、他職種に比べれば“女性が働きやすい環境作りがされている”のではないかと思います。

また、現在は政府や自治体が「働き方改革」を推進しています。

ここまで「介護業界は~」と若干ネガティブな伝え方をしてきましたが、介護業界においても女性が働きやすい制度作りが積極的に推進されているのも事実です。

今後は、より高齢者が増加していくため、今のままでいけば確実に介護業界の人手不足には拍車がかかることでしょう。

それを防ぐためにも、女性はもちろん男性にとっても働きやすい環境整備が急ピッチで進められていくものと考えられています。

特に女性の場合は、家事・出産・育児などの関係で、家庭生活の負担が重くなりやすい傾向にあります。

それでも、さまざまな制度を上手く活用できれば、その負担を大きく軽減することができ、社会福祉士の仕事を生涯にわたって続けていくことも可能となるはずです。

制度やサポート内容については、勤務する施設によって内容に違いがあるため、自身で詳細を確認してみてください。

なんにせよ、さまざまな社会問題が蔓延する現代社会において、社会福祉士は今後も必要不可欠な存在です。

女性にとっても男性にとっても、より働きやすい環境が整備されていくことを願っております。

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